「……リタ」
「何?……あぁ、依頼ね」
ミッドガルのスラム、三番街。
その片隅にひっそりと建つ、一軒の店。
その中でだるそうにイスに座っている、一人の女がいた。
赤銅色の長い髪を、後頭部で適当に括り、釣り上がりぎみの、細い髪と同じ色の瞳を、入り口に立つ男へと向けている。
対して入り口に立っていた男は、完璧な無表情で女を見つめていた。
その手には、小さなメモ。
男からメモを受け取って、女は目を通す。
「……うちを便利屋と勘違いしてるんじゃない?神羅って会社」
「……だが、依頼だ」
嫌そうに顔を歪める女に、男は首を振った。
女は呆れたようにため息をつく。
「仕方ないわねぇ。じゃ、行きますか。神羅カンパニーに、ね」
「……」
無言で男はこくりと頷く。
やはりだるそうに女は立ち上がり、ぽりぽりと頭を掻いた。
太股のホルスターに入れてある二丁拳銃を、軽く叩いて確認する。
ちょいちょいと指で男に指示して、女は店を出た。
「将来の神羅の英雄様……か。どんな奴かしらね」
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あとがき
うわぁ始めちゃったすいません!
はじまりの方もまだ全然進んでないのに……orz
同時進行くらいのスピードで行きたいと思います。つまり亀更新。
20100926 氷紅