とある任務後の話。

とある任務後の話。

「おかえり、レンガ……ちょっと待て、その腰にある大剣はなんだ?」

任務から帰って来たレンガをねぎらったセフィロスは、レンガの腰に見慣れぬ剣がはかれていることに不信感を覚える。
当人のレンガは、にこりと笑って答えた。

「これ?任務先で見つけたんだ。預かってきた……とも言うのかな?」

首を傾げつつ、レンガは腰帯から大剣を外した。
普通の少年ならば持つことすら困難な大剣を、ごく普通に取り上げてレンガはセフィロスへと手渡した。
セフィロスは鞘から剣を抜き、抜身の刃を眺めて、眉を寄せる。

「ずいぶん血錆がついているな……研げばきれいになるだろうが」
「任務先にいた、赤いドラゴンから預かったんだ。なんでも曰くつきらしくて」

曰くつき、という言葉でセフィロスは剣を鞘に戻して放り出した。
宙に浮いた剣を、慌ててレンガがうまくキャッチする。

「ちょっと!落としたら刃こぼれする!」
「い、いわくつきだと……?何故そんなものを持ち帰ってきたんだ!」

憤慨するセフィロスに、レンガは呆れたように肩をすくめた。
大剣を再び腰にはき、いとおしむようにその鞘を軽く叩く。

「だから、預かってきたんだってば。昔、亡国の王子が使ってた剣らしくてね。
王子は敵国のドラゴンに国を滅ぼされて復讐を誓い、殺戮者となってひたすらに敵軍を殺し続けた。
敵国を滅ぼすために、国を滅ぼしたドラゴンと同種のドラゴンと契約を交わしてまで。
その王子が使ってた剣らしいよ」

やけに詳しい、レンガの語る昔話。
内心びくびくとしながら、セフィロスは大剣へと手を伸ばした。
子供のような兄の反応にレンガは苦笑いを浮かべながら、再び大剣をセフィロスへ渡す。

「マテリアがなくてもファイガが使える。けど、使う人を選ぶ。そんな剣」

セフィロスがまたもや剣を鞘から引き抜くと、残り少ない銀色の刃が光を反射して、きらりときらめく。
セフィロスの手から剣を奪い取り、レンガは空へと構えて、言い放った。

「ブレイジングウィング!」

茫、と炎球が四つほど現れ、空へと向かって放たれた。
剣の元を離れた炎はかなりの高さまで飛び上がり、空ではじけて小さな火の粉となった。

「……」
「ま、こんな感じで。威力は大体ファイラからファイガくらいっぽいでしょ?」

くいっと首を傾げ、レンガはセフィロスに問う。
セフィロスはしばらくぽかんとしていたが、頭を振って意識を取り戻す。
レンガの手から剣を受け取った。

「……捨てるのも惜しいな」
「って捨てる気だったの!?やめてよ、ドラゴンから大切にしてくれって預かったんだから」

血錆の下で、剣の刃が奇妙な紋章を描いていたのに、レンガとセフィロスが気づくことはなかった。

 

「同種のよしみだ、我が名とあやつの名を伝えておこう……」

 

あとがき
すいません出来心だったんですマジサーセン
ここでこんな事言っちゃっていいのか!俺!
DOD最高!カイムとアンヘルは永遠の夫婦!
ジャンル違いでマジサーセン

20100919

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