「…熱い」
この季節はあまり好きじゃない。
「いいじゃないスか、これから夏休みなんだし!」
でも、ティーダが楽しそうだから、ちょっとだけ許してあげようと思う。
終業式が終わって二人っきりの帰り道。
他愛もない会話をしながら、当たりクジが多いと評判の駄菓子屋でアイスを買って食べる。
(ちなみに、ティーダは3回当たっているが、俺は今のところ全敗だ。)それがいつもの二人の放課後デート。
「クラウドは夏休み、なんか予定とかあるの?」
「別に予定はない、と思う」
いつもの公園のブランコに座って、今日もゆっくり時間を潰す。
「じゃあさっ、皆で海とか行こうぜっ!」
大きく漕ぎながら楽しそうに話すティーダの大きな声。
「そうだな…」
小さく揺れながら同意を示す俺の小さな声。
こんないつも通りのやりとりでは、きっと夏休みになっても二人の距離は縮まらない。
『別に、嫌なわけじゃない、けど・・・』
今日もまたハズレのアイス棒をくわえながらぼんやりと、元気よく遊ぶ子供達を見つめた。
「クラウド!」
「っ!…何?」
子供達を遮って、視界いっぱいに逆さまに広がったティーダの顔。
思わず悲鳴をあげそうになったけど、なんとか飲み込んで動揺なんてしてないふり。
そのまま俺の正面に回り込むティーダの頭を撫でてあげる。
そうした瞬間、唇に柔らかい感触。
「~~っ///!?」
「そんな拗ねた顔しなくても、いろんなコトするっスよ!もちろん二人っきりで。」
自分の顔がどんどん熱くなっていくのがわかった。こんなの…
顔が熱いのも全部全部、夏のせいだ。
ティーダの向こう側に見えるフリーズしている子供達。変なコト覚えたらどうするんだ!
後書き 無理矢理感満載、あ、漢字が7コ続いた。
by雅楽
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